医薬品製造施設における生産量の増加にむけた
計画、構想、実行を支援します。
医薬品製造施設を持つ企業様が中期から長期での計画を検討していく中で「施設全体の生産量を増やしたい」というニーズはよく聞かれます。HESでは、生産量の増加にむけた計画、構想、実行といった幅広いフェーズでご支援させていただきます。
生産量を増やすためのアプローチ
生産量を増やすためには実は複数のアプローチがあり、今自社が行いたいのはどのパターンで、どのような取り組みを行っていくかを明確に整理することが必要です。
- 工場自体の新築、増築、改築等を行って、より本格的な生産量の増加を目指す
- 使用していない機械等を撤去し、新たな場所を活かす
- 機械の能力をアップせさて、生産量の増加を目指す
- 歩留まりを改善し、生産量の増加を目指す
- 倉庫やハンドリング方法の見直しで、生産能力の増かを目指す
アプローチ1. 工場自体の増築や改築を行う
限られた敷地や条件の中でやりくりするのではなく、工場自体を新たに増築したり、改築したりといったアプローチです。既存の製造ラインを走らせたまま、新たなラインを組んだり、拡張を行ったりと、生産量の向上をより本格的に目指すことが可能になります。
アプローチ2. レイアウトや動線の見直しによってスペースを生み出す
限られた敷地の中で、レイアウトや動線を見直すことによって、新たなスペースを生み出すとともに作業効率を高める。そのようなやりくりを行うこともとても重要です。
アプローチ3. 各装置の処理能力や性能をアップ
同じ敷地、同じライン取り、同じような体制の中で医薬品の製造を行っていく場合、もちろん製造する製品や製造の工程にもよりますが、ラインで使用する機械そのものの能力は、生産量に直結するケースがとても多いものです。機械は一度導入してしまうと見直しが行われにくい傾向もあり、導入したり、リプレイスを行ったりする際に、本当にその機械が最も適しているのか、慎重な検討を行うべきだと言えます。
アプローチ4. 歩留まりの改善
生産量を増やすための手段として、自社の「歩留まり」を改善できないかという視点は重要です。歩留まりは、主に製造業において、製造基準を満たした欠陥のない良品が、すべての製品のうちどれくらいの割合を占めているか?ということになり、歩留まりの改善を追求していくことで、自ずと会社全体の生産性が高くなり、生産量の増加にも繋がっていきます。
アプローチ5.工場内物流改善
原料・資材・中間製品・製品の保管量や保管場所の制約により、既存生産能力を十分に活かせていないケースがあります。また、工程間の中間製品のハンドリングに使用する容器や製造装置への供給や次工程への搬出方法がボトルネックとなり、生産能力を発揮できていないこともあります。適切な保管量と保管エリアの設定、中間製品のハンドリング方法について、見直しを行うことで、既存生産性の向上に繋がる可能性があります。
気をつけるべきポイント
生産量を増やすにあたって、前述のような様々なアプローチを組み合わせていくことが有効ですが、注意しておくべき点をいくつか挙げておきます。
既存施設を止めることなく工事する方法を考える
機械の入れ替えや、工場の拡張を行う際に、既存の施設を止めてしまうとその分、市場への供給不足へ繋がるリスクが高まります。医薬品の供給責任を果たすべく、既存の施設を止める時間を最小限に留めるようにすることが重要です。
対処方法としては「作りだめ」をしておくことや、そのために、生産体制(人員や労働時間)についてパワーをかけたりすることが必要です。
様々な変更にも応えやすい設計を心がける
一般的に、問題というのは当時の将来構想と違う使い方をしようとした時に起こりがちで、特に、ユーティリティまわりでは「そもそもそういうことが起きるケースを想定していなかった」ということがよくあります。
それは、工事をする時に、現状必要な最低限のことだけで要件定義を行ってしまう傾向にある事が原因です。配管の設計では、あらゆるケースを想定して大きく、太くし、また、引き込む電力量、給水、排水、床荷重などについても、実は最初の設計の時点で、将来を想定しておいた方が、結果的にコストも削減できる傾向にあります。
逆に、計画が立たないうちは、あえてコストをかけずに何も実装しない(用途が定まり、要件が明確になった段階で必要なユーティリティを揃える)という割り切った考え方も時には必要です。
そのように、将来に向けた構想や変更の可能性を踏まえた設計や方針決めが重要であり、HESではお客様の一員となる「ユーザーズエンジニアリング」の発想で、お客様と共に最も効率の良い新築・増築・改修等をご支援させていただきます。
支援の特長
平原エンジニアリングサービスでは、実務経験豊富なエンジニアが、お客様の現状を現地調査や作業者へのヒアリングをしながら問題点を丁寧に抽出いたします。
抽出した問題点について、お客様と認識を共有し、解決策の方針を決定します。課題解決に複数のアプローチ方法がある場合は、各案の検証を行い、お客様と相談・決定していきます。
ハード面だけでなく、ソフト面からも実務的視点で検討し、重要度・緊急度、理論的な妥協点、スケジュール、コストなどを考慮し、お客様のお悩み事解消のお手伝いをします。
実績の一例
平原エンジニアリングサービスでは、交叉汚染の防止をはじめとする医薬品製造施設のコンサルティングやエンジニアリングを幅広く承っており、さまざまな実績がございます。当サイト上に公開できない事例実績も多いためお気軽にお問い合わせください。
遊休ラインを改修して生産力増強
受託を中心に固形製剤を製造する既設の工場に於いて、稼働していないラインを撤去し、その製造室と周辺諸室を改修して、全く別の生産ラインを構築しました。レイアウト検討だけでなく、稼働中の他のラインへの影響を最小限にするべく工事工程の検討もお手伝いさせて頂きました。
増築棟を建設して新規ライン構築
受託を中心に固形製剤を製造する既設の工場に於いて、工場内の空地に新棟を建設し、それまで扱っていなかった品目を製造するべく新規生産ラインを構築しました。基本計画の作成、実施設計図作成の助成、工事工程の調整、バリデーション図書の作成など計画スタートから竣工まで総合的にお手伝いさせて頂きました。